ふるさとだより

性、相近きなり 習、相遠きなり

2012/10/26

2年前、論語普及会学監の伊与田覚先生の5回連続講義を拝聴する機会がありました。当時95歳だったと記憶しています。矍鑠(かくしゃく)とした崇高なお姿は身が引き締まりました。その伊与田先生の文章があったので引用します。幼児教育にたずさわる者だからこそ、心しなければ・・・と思います。

≪中国に『小学』という古典があります。今から800余年前に朱子と劉氏澄(りゅうしちょう)という人が、四書五経をはじめとする古い書物の中から大切な教えを選出したものです。江戸時代に主流を成していた朱子学の教えとも関係が深く、武士の家庭教育、さらには一般家庭の子女教育を通じて日本人の心に深く浸透し、実践されたことで、日本人の質は格段に向上しました。幕末に日本を訪れた欧米人は、東洋の野蛮国と蔑んでいた日本人が、実際に会ってみると実に礼儀正しく、躾の行き届いていることに感嘆し、「東洋の君子国」と讃えました。列強の植民地支配から日本が独立を堅持できたのは、この教えを通じて国民が優れた人間性を育んでいたことが大きいと私は思います。  しかしながら戦後、『小学』の説く人間としての基礎教育がおろそかになったことで、日本は誠に恥ずかしい国になりました。『小学』には次の一節があります。

「古の小学、人を教うるに、洒掃、応対、進退の節、親を愛し、長を敬し、師を尊び、友に親しむの道を以てす。皆身を修め、家を齊(ととの)え、国を治め、天下を平らかにするの本と為す所以なり。」

『小学』において、まず人を教えるのに洒掃、応対、進退の大事なところ、そして親を愛し、目上の者を敬い、先生を尊び、友を親しむ。そういう道を教えるということは、自分の身を修め、家を斉え、国を治め、天下を平らかにするものとなる、と説かれています。

洒掃は掃除を意味します。日本神道の精神は、清く、明るく、直き心ですが、掃除はそうした人間が本来持っているよい資質を引き出し、人間を創る一番の基本となります。

応対は挨拶です。親が赤ん坊に毎朝「おはよう」と声をかけ続けていると、成長するに従い「おはようございます」と挨拶を返してくれるようになります。これが応対の一番の基本であり、幼い頃に習慣化すれば生涯失われることはありません。

進退は立ったり座ったり、進んだり退いたりといった作法です。禅寺を訪ねるとよく玄関に「脚下照顧」と書かれています。まずは自分の脱いだ靴をちゃんと揃えること。これが人間就業の第一歩だと説いているのです。ゆえに玄関の履物を見れば、その家の家風が概ね分かるとも言われるのです。

洒掃、対応、進退は習慣づけることが大切で、少し気が緩むと乱れてしまううちは習慣化されたとは言えません。習慣の慣は“慣れる”という字ですが、日々繰り返し実践を重ね、無意識のうちにちゃんとできるようになって初めて習慣づけられたといえるのです。

教育の現場には、家庭、学校、社会(会社)の3つがあります。よい家庭に育った子供は自ずと立派な人間に育ち、よい校風を持つ学校に入ると問題を抱えた生徒もいつの間にか良くなり、よい社風の会社に入ると意識せずして立派な人材に成長します。国にも国風があります。よい家庭、よい校風、よい社風によって日本人一人ひとりが立派に育てば、世の中がよくなり、立派な国風が形成されていきます。しかしながら今の日本は、未熟な親や、尊ぶに値しない教師も多く、無垢な子供を託すには心許ない状況にあります。これは戦後の占領政策によって、『小学』の教えなど、長年継承されてきた優れた日本精神の縦糸が断ち切られ、さらに時代を反映する横糸もいかがわしいものが蔓延してきたため、国としてまともな織物を紡ぎだせなくなったのです。

『論語』に、「性、相近きなり。習、相遠きなり」という言葉があります。もともと人間一人ひとりに大きな違いがあるわけではなく、誰もが相近きものです。しかしながら、躾や教育によって身についた習慣により、人間的に大きな差がついてくるものだという教えです。

今一度断ち切られた縦糸を繋ぎ直し、よい横糸と組み合わせ、日本に相応しい素晴らしい織物を創っていかなければなりません。そのことを通じて次代を担う子ども達を立派に導いていくことが、今を生きる私たちに課せられた重大な任務ではないでしょうか。≫

ロフト組み立て中

2012/10/25

7月初めの内覧会に設置できていればよかったのですが、待望のロフトがやっと本日入り、只今組み立て中です。(写真は16時半と18時10分)

二階建なので、下段はリラックスコーナーに、上段は子ども達で何にするかを決めてくれると思います。

楽しいゾーンがまた一つ増えます。

教育の一方法

2012/10/24

松井直輝氏(学校法人泉新学園理事長・学園長)の記事が、心に響いたので紹介します。
 ≪人間は誰もが自分にしか成し遂げられない固有の使命を持ってこの世に生まれてくる。人間一人一使命──これが私の考えです。
そして私の使命は、幼児教育で日本を変えることです。
日本は近年、家庭崩壊、学級崩壊、犯罪の低年齢化、ニートの増加等々、様々な問題を抱え、国の行く末に深刻な危機感が募っています。これらはいずれも人間教育の崩壊と深く関わっていると言えるでしょう。
私はこの問題解決の鍵を握るのは、幼児期の態度教育であると考え、その実践と普及に全力で取り組んでいます。
私が亡くなった母の後を継ぎ、大阪と和歌山で3つの幼稚園を運営する泉新学園の学園長に就任したのは平成13年でした。
長年学園長を務めていた母は地元の信望も厚く、園は多くのご家庭から園児をお預かりして活気に満ちていました。
私はそれまで園長として一つの園の運営を担ってはいましたが、全体を統括する学園長の経験は当然ありません。
保護者の間からは、「うちの子はあなたの園に入れたのではない、 あなたのお母さんの園に入れたのです」
といった不安の声も上がり、入園数は低迷。5年後には全体の約4分の1に当たる100人減という危機的状況に至りました。
ところがその翌年から再び園児は増え始め、短期間のうちに元の水準に戻るV字回復を実現できたのです。
その原動力となったのが態度教育でした。
私はかねてより国民教育の父と謳われた森信三先生の教えを、高弟である寺田一清先生や石橋富知子先生を通じて学び、
そこで説かれる態度教育の素晴らしさを実感していました。
学園長就任は、この教えを当園に導入する絶好の機会となったのです。
導入に当たり、私は森先生の教えである躾の三原則(挨拶の励行、元気な返事、履き物を揃える)と立腰(腰骨を立て姿勢をよくする)に
食育(食事のマナー)を加えた5つを態度教育の根幹に据えました。
ただし、これらを園児に身につけさせるためには、まず園児を指導する教師自身が十分に実践できていなければなりません。
当初は当園の教師にも、こちらが話している最中に下を向いていたり、呼んでもきちんとした返事が返ってこないような態度がしばしば見受けられました。
人の意識を変えるのは容易ではありません。効果を期待して導入した研修に全員が反発し、ドロップアウトという不本意な結果に終わったこともありました。
それでも諦めることなく模索を続け、行き着いたのが朝礼でした。
スランプに陥った野球選手は基本に返って素振りを繰り返します。同様に職場が立ち返るべき基本、それは朝礼であると私は確信しています。
朝礼は業務連絡の場に止まらず、取り組み方次第で挨拶、返事をはじめ態度教育の基本を磨くかけがえのない研修の場となります。
毎朝真剣に実践すれば、一人ひとりに染みついた思考、感情、行動が徐々に変化し、新しい習慣が身についていきます。
当園も5年間の試行錯誤を経て、教師が変わり、自ずと園児の教育にもよい効果がもたらされるようになりました。
しっかりとした朝礼が定着した頃から、園児数は再び増え始めたのです。
「活力朝礼」といわれる当園の朝礼は、いまでは全国から1,000人以上もの見学者が訪れ、導入された組織の社風が3か月で一変すると反響を呼んでいます。
内容は挨拶に始まり、その日の業務や連絡事項の確認、テーマを決めてのディスカッション、各自が取り組んでいるテーマの発表等で、
所要時間は僅か10分。
一人ひとりがその短い時間の意義を理解し、全力で取り組んでいます。ー中略ー
これまで抱いていたイメージを変えて取り組まなければ、と考えを改めたところから、私は幼児教育で日本を変えるという
自分の使命を自覚したのでした。ー中略ー
教育で何より大切なのは、子供たちに自分が愛されている実感を持たせることだと思います。
愛情溢れる教育環境の中でしっかりとした態度教育を施している園からは、子供の集中力や自律力が養われ、三学期までかけて実施する学習が一学期で終わった、運動会の練習が短時間で終わるようになった等々、様々な報告が寄せられ、手応えを感じています。
今後も己の使命に邁進して日本の教育を立て直し、それが世界に尊敬される国づくりに通じれば幸いです。≫

絵手紙復活

2012/10/23

園舎を改築する前は、毎月、市内在住の、大川ちず子さん・寺坂清子さん・塚本静子さんのお三方が絵手紙を届けて下さっていました。が、工事中は飾るスペースもなかったので、途絶えておりましたが、また本日届けて頂き、めでたく復活しましたので紹介いたします。写真のように、デッキの以上児クラスの前に飾っています。送迎の際に是非ご覧になって下さい。季節感いっぱいの素敵な絵手紙です。子ども達にメッセージを時折入れて下さって、心の絆のようなものができています。

早速この写真をはがきにして、お礼状を作ってみました。これは私の処女作です。先日礼状としてこのような写真入り(もっと複雑でしたが)のはがきを頂き、とても感動したので作り方を教えてもらったのです。こんなことは若い方なら誰でもできるのでしょうが、今の私にとっては進歩の作です。

運動会&キャンドルナイト

2012/10/22

20日(土)は大宝地区公民館の体育室をお借りして運動会を実施しました。お天気も気候もちょうどよく最高の運動会日和でした(と言っても室内ですから天候には左右されませんが・・・)。前日の午後から会場の準備をさせてもらい、当日朝はEM発酵液を散布して臨みました。今年は、定員の125%入所となっていて、おかげさまで近年では最も多い子どもの数なので、観客席が全員座れるか少々心配でした。が、みなさんのご協力で全員収まり、9時~11時半までスムーズに運ぶことができたと思います。保護者の皆様にご協力をいただいたり、たくさん参加していただいたので、みんなで楽しめたのではないかと思います。

それにしても子ども達の可愛いこと!競技に出場するだけでも可愛いのに、一生懸命の健気さに、思わず笑みがこぼれてしまいました。

そして夕方17時からは地球温暖化防止対策活動として、“キャンドルナイトしもつま・やちよ”が青年会議所の人たちを中心に、砂沼広域運動公園で行われました。

当園の子ども達もペットボトルのキャンドルの帯に絵を描くことで参加をしています。