ノートルダム清心学園理事長 渡辺和子氏の心に響く記事があったので、紹介します。
【人間の進むべき道というようなことは、難しくてよくわかりませんけれども、とにかくまずは自信を取り戻すことですね。しかもそれは正しい意味での、人間しか持たないぬくもり、優しさ、強さであり、自分と闘うことができ、自分の欲望にブレーキをかけることができるということへの信頼です。
例えば、私はいま学生たちに、「面倒だからしましょうね」っていうことを言ってるんです。
面倒だからする。そういう心を学生たちはちゃんと持っています。それは強さだと思うんです。
そういう、人間にだけ神様がくださった、神の似姿としてつくられた、人間にのみ授けられた人間の優しさと強さ。かけがえのない、常に神様に愛されている自分としての自信。
そういうものを取り戻して生きていかないと、科学技術の発達するままのこれからの時代に、
人間の本当の姿が失われてしまうのではないかと思います。
いまの学生たちは、ポーチの中にお化粧道具をいっぱい持っています。
だから彼女たちには、お金をかけてエステに通ったり、整形手術を受ければ綺麗にはなるけれど、
美しくなるためには、面倒なことをしないとだめなのよ、と言っているのです。
自分が座った椅子は元どおりに入れて立ちましょうね。
落ちている紙屑は拾いましょう。
洗面台で自分が落とした髪の毛は取って出ましょう。
お礼状はすぐに書きましょう……というように、
なるべく具体的な行動の形で示してやります。
「ああ、面倒くさい、よそう」と思わないで、「ああ、面倒くさいと思ったらしましょうね」と言うと
学生も、何か変な標語のようだなと思いながらも、覚えていってくれるみたいです。
「人はある程度の年を取ったら、それ以上綺麗にはならないけれど、 より美しくなることはできます。
その美しさというのは、中から輝いて出るものだから、 自分と闘わないと得られません。 お金では買えないのよ」ということを言うと、「ああ、シスター、顔の化粧ではなくて、 心の化粧なんですね」と言ってくれます。】