ふるさとだより

保育園がこころのふるさとに(part11)

2013/05/29

全身運動で低体温体質が改善


幼児期は身体に秘めた可能性を引き出す時期でもある。毎日の積み重ねで未知の運動機能を増幅させる

これらは、これまでにもたびたび触れてきていますが、今回は③のハイハイ運動と④手指の微細運動について詳しく紹介します。 ③の全身の粗大運動には3つの目的があります。第1は体幹をしっかりさせ、抗重力筋を育てます。ハイハイ運動が最も効果的です。学校では朝礼で立っていることができずに体育座りをさせるようですが、乳児期のハイハイ不足、幼児期の運動不足があるようです。抗重力筋という自分の体重を支える筋肉が育っていれば立っていられるのです。第2は、巧緻(こうち)性や柔軟性をつけることで回避能力が育ち、ケガをしにくい身体になります。これは、アヒル歩きやペンギン歩き、ブリッジ等の動きをすることで力がつきます。第3に低体温を予防することができます。

昨今の子どもたちは夜更かしや運動不足で体温が低下しています。しかし、早寝早起き、ハイハイ運動、裸足の生活をすることで改善されています。実際、3か月ほど園の生活をしていると、ほぼ全員の子どもたちの体温は36度5分以上になり、運動直後は37度前後になります。脳が一番働く体温は37度~37度2分と言われているように、運動直後の指先の時間がとても集中してできるのはこのためだと実感しています。


大人でも難しい、箸で豆をつまむ行為に挑戦する子どもたち(左上)。これらすべての運動は脳の活性化にもつながるという

④の指先運動は、③で述べたように体温が高い状態で取り組めるので、集中力が養われる時間にもなります。ですから、スタッフは集中している子どもに余計な声かけはしないように心がけています。紐通しや型はめ粘土遊びなどは”手と目の協応”によって器用な手を育てます。また、週に1度もしくは2週に1度は給食の素材のタマネギやニンジン、トウモロコシの皮むき、インゲンの筋取りなどもお手伝いを兼ねて行います。3歳以上になると、教材を2~3種類用意して選択できるようにもしています。自分で選んだ物は、より集中して行うことができるからです。しかも、3歳以上は正座して行うようにしていますが、足腰を強くして、姿勢を正すのに効果があります。

③と④の全身粗大運動と手指の微細運動を毎日継続して行うことは、子どもたちの全身の筋肉を毎日鍛え、身体の発達の保障を可能にします。同じ3歳児でも、0歳または1歳から入所している子どもと、今年入所してきた子どもとでは、運動能力や手先の器用さにかなりの違いが出ています。加えて、最後までやり抜く、できるまで頑張るという”頑張る気持ち”が育っています。

「早寝早起き・ハイハイ運動・午前午睡…」を考案し提案したのは、元東北福祉大学教授・故河添邦俊先生です。河添先生は、群馬県前橋市にある愛泉保育園の実践に携わって実績をあげられました。一時はこの保育に共感し、全国的に広まったようですが継続するのが困難なこともあって、午後午睡に戻した園も多いと聞きます。夜型社会の現在、共働きの両親と触れ合うのは夜しかないからと夜更かしを黙認している保育園もあるようです。

確かに、保育園は両親が共働きで、昼間家庭で保育できない子どもを預かるところです。しかしながら、ただ預かるのではなく”発達を保障”しなければならないところでもあります。私たちはこの③と④の取り組みで、障がい児を多く受け入れることが可能になり、自閉症やADHDなど多動な子どもたちにも、脳性麻痺のような肢体不自由な子どもたちにも効果があることが分かってきました。それだけに、乳幼児期の子どもの生活リズムは子ども主体に考えてほしいと切に願っています。        ーエコピュア(EM環境マガジン)11回連載に投稿した中から抜粋ー

徳の教育とは

2013/05/28

「ビートたけし氏とお母さんの感動秘話」~ 下村博文(文部科学大臣/教育再生担当大臣)氏の記事より~
         
“いまの日本には偉人伝というだけで拒否反応を持つ人がいるんですよ。
それ自体、異常な社会だと思うのですが、そういう時、私はタレントの北野武さんの話をするんです。

そうすると皆さん「なるほど」と言って聞いてくださいます。それは北野さんのお母さんのお話なんですね。

北野さんが芸能界に入って売れるようになった頃、お母さんから「金をくれ」と言われたというんです。

それからも何かにつけて法外なお金を要求されたと。とんでもない親だと思ったけれども、親には世話になったし迷惑を掛けたのも事実だから、言われたままに出していたそうです。・・・そして、お母さんの命がもう何日もないという時に軽井沢の病院に行った北野さんは、お母さんから一冊の通帳を渡されるんです。帰りの新幹線の中でその通帳を見た北野さんはビックリするんですね。  今まで渡していたお金が全額入金されていた。芸能界は浮き沈みの激しい世界ですから、お母さんとしては息子が売れなくなった時のことを考えて、そっと蓄えておられたのでしょうね。

子供は親孝行したいと思っているけれども、親が子を思う気持ちはもっと深い。

吉田松陰が「親思う心にまさる親心」と詠んでいますが、親が亡くなって「もっと孝行しておくべきだった」
と子供だったら皆思うんじゃないでしょうか。これは何も国が「親孝行しろ」と言うのとは違うわけでしょう。

道徳の授業の中でそういう話がエピソードとして出てくれば、誰でも素直に皆受け取るはずです。

人が人として生きるために大事なことを学ぶのは、本当は英語や数学の学力を高めること以上に必要なことなんですね。”

・・・人が人としてどう生きるかという教育、つまり知徳体の徳の教育がこういうことなのでしょうね。

やっと見ることができました!

2013/05/27

 これは今朝の“相撲場付近”の写真です。やっと今年のフクロウを肉眼で見ることができました(中央より少し下の灰色のもの)。 連休前から早朝にカメラマンの方々が連日撮影に来ていました。カラスが何羽もフクロウを追いかけている姿を見ることもあって、フクロウの子どもは大丈夫だったろうか・・・と、とても心配していただけに、今朝のこの子フクロウの姿を見たときは(カメラマンのおじさん方に教えて頂いた)とっても感動しました。・・・カメラマンさんのすばらしい望遠レンズでは、目を開けたり、あくびをしたり…百面相の愉快な顔をみせてもらうことができました。 この“やはたのもり”は、フクロウも生息する自然豊かな杜だということをあらためて神様に感謝いたします。

 園庭の紫色のホタルブクロもいっせいに咲き出して、ますます心を和ませてくれています。今日は、苅部保育士の御主人より、“ゆり”と“ひまわり”の鉢をたくさんいただきました。この開花も楽しみです。花と緑に囲まれたこの環境にも感謝です。いつもありがとうございます。

園バスでおでかけ

2013/05/24

26日(日)にフラワーフェスティバルが行われるポピー畑に、今日はぶどう組が行ってきました。

バックに筑波山、小貝川の広~い河原に真っ赤なポピーがい~っぱい! ちょっと足を延ばしてネイチャーセンターの滑り台にも・・・。大好きなバスで、大好きなお友達と。快晴の下で、マイナスイオンたっぷりの花に囲まれ、解放感にあふれていました。来週月曜日はイチゴ狩りなので、もも組は火曜日に出かける予定です。6月2日(日)までは楽しめるようです。

保育園がこころのふるさとに(part10)

2013/05/23

久しぶりに、4年前にエコピュア(EM環境マガジン)に連載になったものを紹介します。

“子どもの身体のおかしさは、社会的に問題になっています。朝からあくびをする子ども、姿勢が悪い子ども、何となく活気がない子ども、興奮しやすく落ち着きのない子ども、昼食時に居眠りをする子ども、ストレスから種々の症状のある子ども等…。「現代病だから仕方ない」と片付けることはできないと思います。こういう時代だからこそ見直しが必要なのです。

午前午睡で園生活にメリハリ

園では子ども自身が子どもらしく、よりイキイキと過ごすためにはどうしたら良いか、障がい児を受け入れるにはどうしたら良いかを考え、平成8年度より次に掲げるようなデイリープログラムに変えました。昼寝は午後という従来の発想を覆した内容になっています。

デイリープログラム

 

7:30~8:45 登園
8:45~9:00 ぞうきんがけで足腰を鍛えます。
9:00~9:30 ハイハイ運動などで楽しく全身を動かします。
9:30~10:00 指先を使った遊びで過ごす。(手指の微細運動)
10:00~10:30 片付け&午睡準備
裸になってパジャマに着替えます。
10:30~11:30 午前午睡
11:30~12:00 布団の片付け・昼食準備
12:00~12:30 昼食
12:30~14:00 昼休み
室内においてコーナー保育などで過ごします。
14:00~15:00 参拝&散歩・戸外遊び(夏期はプール)
15:00~ 片付け・おやつ・絵本タイム
16:00~19:00 降園

1日の流れを変えることは非常に大変でした。毎日のハイハイ運動もきつかったです。でも、半年が経過して子どもたちが変わってきたのです。“逆上がり”ができる子が目に見えて増えました。予想もしなかったことで、みんな本当にびっくりして喜びました。昼食も昼寝をしてから摂るので”眠り食べ”が見られなくなりました。午後昼寝の時は、「お昼寝嫌いだから園に行きたくない」と言う子どもが結構いたのですが、午前昼寝にしたら1人もいなくなりました。活発になりました。指先が器用になりました。ケガが激減しました。このような変化に、「体が疲れて大変だ」と思っていた職員も、「この保育を続けていっていいのではないか」と意識が変わり、そのうち確信になり、現在では自信につながっています。”