ふるさとだより

『中村久子先生の一生』

2013/06/05

昭和43年、ヘレン・ケラーをして「私より不幸な人、そして偉大な人」と言わしめた1人の女性がその生涯を閉じました。女性の名前は中村久子先生。・・・晩年、執筆・講演・各施設慰問活動を通じて自らの生い立ちを語り、日本全国の身障者および健常者に大きな生きる力と光を与えた女性です。
 久子先生が突発性脱疽という難病で両手両足を失ったのはわずか3歳の時でした。7歳の時に父親を失い、9歳になった頃、それまで舐めるように久子先生を可愛がっていた母親は、一変して猛烈な教育を施すようになります。
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 手足のない子供に着物を与えて、 解いて見なさい、と言うのです。 どうして解くんですか、と聞くと 自分で考えておやりなさい、 と冷たく答えて取り合ってくれない。
 鋏の使い方を考えなさい、口で針に糸を通してごらんなさい、 そして、縫ってみなさい、と厳しく言いつける。
 できません、難しい、と泣いても喚いても母親は、振りむかない。
 みんな11歳の久子先生に工夫をさせて、 ヒントの1つも与えようとはしないのです。
 言いつけたことができないと、 ご飯を食べさせてくれない。
「人間は働くために生まれてきたのです。 できないとは何事ですか」 恐ろしい顔で叱る。
 おそらく母親は、心を鬼にしてこの難しい仕事をやらせたに違いありません。
 中村先生は母親のこの厳しい躾を恨みまして、当時の気持ちを、(自分は本当の子供ではないのではないか。
 あるいは貰い子ではあるまいか) と、深刻に疑ったことがあると、その自伝に述べています。
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必死の努力で、生地に唾をつけることなく、着物を仕上げることができるようになった久子先生。
やがて、自分のパンは自分で稼ぎ出すために自ら進んでわが身を見せ物小屋に売り、生活の糧を得ていきます。
その後、度重なる不幸を乗り越え、昭和36年10月、全国身体障害者の模範として昭和天皇に拝謁し、お言葉を賜った際、久子先生はこのように語られました。
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「私は若いときから今日まで、 お国から一円の福祉のお金も頂かなかったが、頂かなくてよかった。
 頂いていたら、今日、天皇陛下のお顔を 真直ぐに仰ぐことはできなかっただろう。
 天皇様は私を一人前の人間として扱って下さった。 今日は本当にいい一日だった。
  どんな人間にも生かされて行く道がある。 これからも、自分の力で生きていこう」
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人間の尊厳とは何か、努力を重ねるとはどういうことか。
久子先生の生涯は、精一杯、力強く生きることの意味を私たちに教えてくれます。

このCDの貸し出しをします。園のスタッフまで。

草マルチ

2013/06/04

 さつまの苗を植えた後の畑です。どれが苗かわからないでしょう。

子ども達が植えた際、根の部分に水(EM発酵液)をかけ、その後は草を苗の周り全体にかけました(もう少したっぷり草を乗せた方がいいので、明日土が見えるところにかけたいと思います。)。こうしておけば、水分の蒸発を抑えられるので、水やりは極力しなくて済みます。又、微生物や小動物が多様化するので、病害虫も抑えられると言います。その他、草マルチは利点が数多くあるのです。(苗の周りには竹パウダーも施してみました。)

菌ちゃん先生(又は生ごみ先生)こと吉田俊道先生に教えて頂いたおかげで、厄介者と思っていた草は、実は宝物だった・・・ということを実感しています。

明日さつまの苗植えをします

2013/06/03

先週の土曜日に、卒園生の保護者の方からさつま芋の苗を頂きました。この苗は、月曜か火曜に植え時だということなので、本日園の南側にある畑に“苗床”をつくりました。少し前に、これも卒園生のお父さんが、畑の草を鋤きこんで、耕して下さったので、これに生ごみ堆肥を混ぜて、苗床をつくりました。畝は今まで東西に作っていましたが、南北がいいそうなので、変えました。

しばらく雨が降っていないので、畑全体を湿らせ、畝の所々にEM発酵液を注入し、草マルチにするための草を刈って明日に備えました。今年は初の試みの“竹パウダー”を苗の周りに使ってみる予定です。

ミニコンサート

2013/05/31

 今日の午後は、マリンバ&ピアノのアンサンブルを聞きました。バチ(マレット)は、堅さによって、元気のいい曲、うっとりするような優しい曲と使い分けされます。子ども達には、たくさんの色違いのマレットを見せてくれたので、理解できたと思います。

スネアドラムも強弱をつけることで、とても面白く聞くことができました。小物打楽器もいくつか紹介してくれたり、ボディパーカッションをしたり・・・・。改めて打楽器の魅力を再発見できました。

当園の“森のお部屋”はとても響きが良く、子ども達も約40分間最後まで楽しく聞くことができました。子ども達はディズニーやアニメなど元気のいい曲が特に乗っていましたが、私はアラジンのテーマ“a whole new world”がよかったかなあ~。とってもステキな演奏会でした。おにいさん、おねえさん、ありがとうございました。

保育園がこころのふるさとに(part12)

2013/05/30

保育園は、子どもたちが1日の大半を過ごす生活の場です。前回取り上げた早寝早起きの取り組みは、家庭と園の生活リズムをうまくバトンリレーしないと実現できないことです。子どもは1人ひとりみんな違います。生活環境も違います。だからこそ、1人ひとりの保護者の皆さんと子どもを中心において、「子どもの発達のために何が最善なのか」を一緒に考えて行きたいと思います。

連携する家庭と保育園

家庭と園の連携は子どもの成長を左右します。生活習慣やルールで、家庭と園がお互いを理解し合っていなかったら、子どもたちが戸惑うことになります。入園前、見学に来られた方や説明会の際に園の方針をしっかり話し、入園後も、何事もオープンにスムーズに行くように心がけています。1つの方法として「お便り」をこまめに出すのですが、「お便り」で園の方針を打ち出しても、配布するだけでは読んでくれているのか、理解してくれたのか、つかめないところがあります。それに文章だけでは説得力に欠ける分野もありますから、期待するほど効果が上がらないこともあります。


子どもと保護者たちが楽しみにしている、毎年行う親子ウォーキング(春)、つくば登山(秋)

そこで、園ではコミュニケーションを深める企画として、「砂沼親子ウォーキング」や地元の筑波山をめざす「つくば登山」を実施しています。親子ウォーキングは職員がポイントに立つ、スタンプラリー形式です。1周6キロ、半周3キロを各自が選んで歩きます。子どもたちは、園のプログラム、リズム運動やぞうきんがけで足腰が鍛えられているせいか、連れだって歩くお父さんやお母さんをリードする様子もあって、とても微笑ましいです。

また、年2回以上、多彩な講師を招いた講演会や勉強会を開催します。今年の例をみますと、『自然流育児のすすめ』などの著書で知られる小児科医・真弓定夫先生の講演会を4月26日(日)に開催。近隣の小学校の先生方にも多数参加していただきました。

8月29日(土)には、下妻市千代川公民館を会場に予防医学の第1人者でEMを処方できる数少ない医師・あかね台脳神経外科クリニックの杉本一朗先生の講演会を実施しました。主催は、近隣20の保育施設で結成する常総保育協議会にお願いしました。約200人が集まり、地域の方々のEM医学への関心の高さに驚くとともに、日ごろ園内で子どもたちの衛生管理にEMを使うことを保護者の方々に納得してもらえたのではないかと思います。

9月8日(火)には、小児科医・発達支援専門医・文教大教授の成田奈緒子先生による「早寝早起きはなぜ必要なのか。脳科学からみてどうなのか」を保護者対象に行ったばかりです。昨年1年間、文科省からの依頼で、成田先生はじめ、リズム遊びのカムジー先生などとともに、「リズム遊びで早起き元気脳」のプロジェクトチームが結成され、私も実行委員メンバーの一員だったこともあり、当園の子どもたちがその実践に協力しました。リズム運動を取り入れることで、”自律神経が活性化、しかし脳はリラックス状態”という理想の研究成果が残せました。子どもを通して、保護者らの関心が高まり、早寝早起きの必要性が理解されたようです。

     ~平成21年EM環境マガジン-エコピュア-連載から抜粋~