ふるさとだより

免疫力を高めるーその3ー

2009/11/09

酒粕(さけかす)は、著しい免疫力増強作用、抗癌作用を持つ。がん細胞を死滅させる「NK細胞」(白血球の一種)を活性させる働きがあり、ガンの予防、療養に欠かせない。著しい食効は、「酵素」がズバ抜けて濃厚なことに由来する。

人体は3000種類の「酵素」で働いている。生物体は化学変化の集積であり、それを実行しているのは「酵素」である。消化、栄養の燃焼、代謝、運動、神経伝達など、あらゆる生命活動は「酵素」なしには動かない。だから酵素不足は、免疫力の弱まりに直結する。人間の体温が36~37度なのは、その温度で酵素が最も活性するからである。

白血球の免疫活動も、実行しているのは酵素である。だから、酵素を十分に摂取すると、必然的に免疫力が高まる。味噌、しょうゆなどの発酵食品が健康に良いのは、酵素が豊富だからである。

全ての生き物は、酵素を生産している。人間も自ら酵素を作っているが、多くを食物から得ている。作る力は成人した頃から衰え始め、加齢につれて低下するから、食物からの摂取が重要になる。・・・しかし、酵素は50度を超えると、殆どが死滅する。食物を生で食べる野生動物は酵素不足はあり得ないが、人間は火で調理して酵素を破壊して食べるに至って、酵素不足の宿命を背負った。現代人は慢性的な「酵素不足」にあり、そのことが、「免疫力の低下」をもたらしている。

「発酵」とは「酵素を発すること」で、「酵素を作り出す生産活動」である。麹菌や酵母菌などの発酵菌は、実は「酵素を大量に作り出す菌」である。大量に生産された「酵素」が、猛烈な勢いで化学変化を進行させる。これが発酵である。

発酵食品の代表は味噌だが、塩分が濃くて多くは食せない。市販の味噌は高音処理して発酵を止めているので、酵素は全て死んでいる。煮立てた味噌汁も、酵素の栄養価地はゼロである。

生きた酵素が最も濃厚に存在するスーパー・フードそれは「酒粕」である。清酒のもろみから日本酒を搾った残りだ。麹菌による麹発酵、酵母菌によるアルコール発酵によって、多様な酵素が極限にまで増殖された、「酵素の塊」である。体内で酵素に転化する「酵素原物質」も豊富だ。ただし、粕汁などに加熱調理すると、酵素価値はゼロになるから、必ず生で食べる必要がある。食功は偉大で、良くぞこんなに効くものかと驚く。ほんの少量を食べるだけで、大量の排便に恵まれる。停滞していた宿便が動き、体調がまるで変わってくる。朝食どき、みたらし団子ほどの塊を食べるだけで足りる。味噌汁などの汁物に浸し、すぐに口に含むと食べやすい。冷たくて酵素が死なないうちに食べるのがコツだ。食べるのは一日一回にとどめる。生の酒粕はそれほどまでに食効がある。  ー『免疫力を高めてインフルエンザを防ぎ、ガンを防ぐ』自然健康社 より抜粋ー