ふるさとだより

這うことの大切さ

2015/08/24

当園では、毎朝、8時45分~ぞうきんがけ、9時からハイハイ運動をはじめとする全身の粗大運動をしています。この全身運動および9時半~10時の指先運動、そして60分の午前昼寝を考案したのは、故・河添邦俊先生です。河添理論は、約40年も前に開発されたものですが、現在でもハイハイは見直されていて、昨年は当園の取り組みが『AERA with Baby』に掲載されたところです。

 当園では平成8年から取り組んでいますが、脳性マヒのお子さんが歩行可能になったり、不自由が自由になることをいくつか見て来て、幼児期にこそ取り組ことの大切さを目の当たりにしてきています。家庭でも、風呂場まで行くときに、寝床に行くまでに、ハイハイや手押し車で行くなど、やってみてはいかがでしょう。親が笑顔でやることが基本です!

河添先生は這うことの大切さを次のようにおっしゃっています。

這うことの大切さについては・・・①全身の骨格筋を使います。②血行をよくします。③骨格筋を使うことにより、脳幹部の網様体を刺激し大脳の働きを高めます。④手指の働きを滑らかに力強くします。⑤手指・腕で体を支える力を育てます。⑥胸の骨格筋を育て、呼吸力を高めることにより、声を出しやすくします。⑦首をあげることににより、注視力や平衡機能、姿勢反射を育てます。⑧随意筋を育てます。(随意筋とは、自分の意志で動かすことができる手足などの筋肉)

 逆にハイハイをしないと・・・①手指・腕で体を支える力が育ちにくい。②首を強く起こす力が育ちにくい。③立直り反射が育ちにくいので、転びやすく顔を打ちやすい。④姿勢が悪くなる心配がある。⑤歩き方が良くなりにくい。(内股歩きや外股歩き)⑥座り方が下手になりやすい。(横座り・とんび座りなど)