かつてプロサッカー選手としてJリーグやブラジルのチームで活躍した伊藤和磨さん。
持病の腰痛が悪化し、引退を余儀なくされた経験から、人間の姿勢や動作パターンと頭痛、肩凝り、腰痛、鬱病などの
身心の不調との関係を研究。
10年以上にわたりパーソナル・トレーナーとして様々な症状に苦しむ患者さんたちを回復へと導いてきているそうです。
そんな伊藤さんが語った「姿勢を整え、心を修めるカンタン実践法」を、以下の記事で紹介します。
≪人間の体は、転倒しないように頭と骨盤が連動して常にバランスを取っています。
頭が前に出れば骨盤は後ろに倒れて猫背になり、逆に顎を引いて頭を戻せば骨盤が入り、
背骨が自然なカーブを描いて立った状態になるのです。
これはニュートラルポジションといって、重い頭が胴体の真上に位置して脊柱が最も安定し、
上半身の重さを骨で支えられた状態です。
全身の運動効率が高まり、最小の力で最大の力を発揮できる状態と言えます。
顎を引いてこのニュートラルポジションを取ることによって、首や肩の凝りが軽減され、頭痛の予防改善に繋がります。
腰にかかる負担も軽減されるため、腰痛にもかかりにくくなるのです。
しかしながら腰痛を訴える人の体を診ると、大抵顎が上がって腰骨が後ろに倒れている、或いは前傾姿勢になっています。
また、顎が上がると呼吸が浅くなり、緊張や不安などネガティブなマインドが引き起こされやすくなります。
うつ傾向など、心の問題を抱える人も、顎が上がり、姿勢が悪いために呼吸も浅くなっているケースが大半です。
質のよい呼吸をするためには、息を鼻から吸うことが必須条件となります。
鼻呼吸は鼻の粘膜を刺激するため、脳が活性化します。
しかし、呼吸は姿勢の影響を受けるため、姿勢を改善しないことには呼吸の質を改善することはできません。
顎を引いて、舌を上顎の歯の裏側につければ、自然と鼻呼吸が促されるのです。
しかし、舌が下がって口が半開きになると、鼻呼吸ができなくなります。
口呼吸では一回に吸える酸素の量が少ないので、呼吸の回数が増加して交感神経が活性化します。
結果的に不安や緊張、怒りといったマイナスの感情が増長されるのです。
心の問題の解決に、精神医療など、心の面からアプローチしても思わしい効果が得られない場合、
逆に体からアプローチすることで大きな効果が得られることは、10年以上この活動に携わってきた私の実感です。
心技一体といいますが、まさに姿勢は心を修める器であり、心の有り様は如実に姿勢に表れるのです。
したがって、姿勢を整え、常に一番快適で一番動きやすい状態にすることによって、心も自ずと整えられていくのです。
人生を変えること、自分の考え方を一新することはそんなに簡単なことではありません。
しかし、いまからできることがあるとすれば、まずは1日1回、1時間のうちのたった1、2分でも結構ですから、
顎を引いて姿勢を正すことです。・・・以下略≫ ・・・だそうです。これならできそうだと思いませんか?