夕べNHKプロフェッショナル仕事の流儀を見ました。今、教育現場を揺るがしている、いじめや学級崩壊の多くの立て直しをしてきたという、小学校教師の菊池省三先生。
「自信がないから、友達をいじめる」と考える菊池氏は、子ども達に自信を持たせることこそ、学級崩壊を防ぐ秘訣だと考えていました。そのため、自分の意見を堂々と述べ、相手の意見にも耳を傾ける練習をさせ、授業にはディベートやスピーチを取り入れ、独創的な授業でした。
啐啄(そったく)。啐(そつ)とは雛鳥が卵から出ようとして殻を破る音。啄(たく)とは親鳥が助けようと外側から殻をつつく音。卵が無事にかえるには、両者のタイミングが合わなければならない・・と言う意味だそうだが、絶妙なタイミングで子ども達に働きかけているところは凄いと思いました。よく子ども達を観察していなくてはできない・・と思います。
子ども達に伝えているメッセージとして、面倒なことや苦しいことから、つい目をそらして逃げたくなるが、その壁を乗り越えてこそ、人は成長できる・・・と。確かに面倒なことに立ち向かうには勇気がいります。その勇気を使って立ち向かってこそ、今までと違う自分に生れる・・・社会に出たらなおさらのことだと思います。
子ども達と信頼関係を築くための「成長ノート」がまたすごいと思いました。子ども達もたくさん書いて凄いと思いましたが、先生もより多くのメッセージを赤ペンで書き添えていました。休日には10時間も成長ノートに費やすというから、並大抵の頑張りではないと思いました。
運動会での応援団の出し物が、なかなかまとまらなかったが、容易には口出しせず、子ども達に任せ、考えさせていた。こういうことは小さいうちからの積み重ねが大事だと思います。やはりどんな小さな子でも、すべてお膳立てしてやってあげてしまっては、その子の芽を摘むことになってしまいかねません。
幼児教育にも置き換えられるところもあって興味深く、見入ってしまいました。このような先生が全国に広がってくれることを願いながら・・・。