昨年、三重から軽トラックに絵本を積んでやって来て下さった、超楽しい朗天狗“しんさん”のメルマガ、感動的な文があったので、紹介します。
「7月下旬に東北遠征に行ってきた。
今回の行き先は、岩手県山田町と陸前高田市。
山田町は、みえ災害ボランティアセンター(以下、ボラセン)が支援をしている町。
ボラセンは、ボラパックという山田町へのボランティア定期便を頻繁に出している。
三重県の多くの人たちが、ボラセンを通じて、山田町に行っている。
その山田町の保育園から、ボラセンに絵本の読み聞かせの依頼があったらしい。
絵本といえば朗天狗(ほがらかてんぐ)、ということになったみたいで、今回の山田
町行きは、ボラセンからの依頼でもある。
同じ三重県で、被災地で活動している仲間たちからの依頼でもあるので、喜んでお受
けした。
山田町というと、陸前高田からかなり北上する。
朝7時に三重を出て、ほとんどノンストップで運転しても、夜の10時にまだ着かない。
今回は、ぼくひとり。
高速道路を降りて、山の中を走っていると、時折、民家の灯りが見える。
ちょっぴり人恋しい。
「被災地の家に灯りが見えるのに、おれは家族をほったらかして、一体、何やってる
んやろう。」
「うちの子どもとも全然、遊んでへんし。」
などと、ちょっと弱気になってしまった。
でも、翌朝、山田町に着いて、船越保育園と大沢保育園にうかがって、子どもたちが
腹を抱えて大喜びしてくれると、そんな弱気は、いつの間にか吹っ飛んでいた。
さらに、翌日の陸前高田。
以前にもうかがった保育園に行った。
不思議なご縁で出会ったこの保育園には、ステキな先生方とステキな子どもたちがいる。
子どもたちも先生も、待ちに待った、という感じで迎えてくれた。
子どもたちは、終始、大興奮の大歓喜。
多少、人数が増えているのは、仮設住宅に入って、戻ってきている子たちがいるから
だそうだ。
よかった、よかった。
この保育園の何がステキかって、先生方が一丸となって、子どもたちの笑顔を守って
いる雰囲気を感じるからだ。
前回、子どもたちをまとめていたステキな先生は、今回も優しい笑顔で子どもたちを
見守っていた。
何だかホッとする。
しかし、あとで知った。
このステキな先生は、我が子も、家族も、津波で失っていた。
ぼくは、声が出なかった。体が震えた。
心が大きく波打っている。
帰路、ぼくの心は波打ったままだった。
1000キロの道すがら、波打った心と対話しながら、ぼくは、はっきりとわかった。
「この先生のためだけに、片道1000キロの道のりを、何度でも来れる」というこ
とが。
この先生の笑顔がもっとみたい。
この先生の元には、何十人という園児たちがいる。
先生が笑った分だけ、子どもたちはしあわせになる。
だから、今月もぼくは、片道1000キロの道を走る。
(おしまい)」
感動と勇気をもらいました。ありがとうございます。また、いらしていただきたい方です。