『ステラマリスと翼の少女』 あさぎ清歌著
起こるはずのない原子炉の事故により、世界は放射能で包まれた暗黒の世界となった近未来・・・。赤い河、見渡す限りの砂漠、有毒の風、荒廃した街、デジタル図鑑でしか見ることのできない植物たち。諦めの世界で生まれ育った少年“僕”は、ステラマリス(地球)から白い羽をもらった不思議な少女と出会います。少女が話してくれた世界では、空は青く、海は深く、ジャングルは緑だったといいます。少年は世界の話を聞き、「どうして誰も守らなかったのだろう。」と嘆きます。
この本は、今年3月11日の大震災・原発事故が起きる、昨年4月20日、なんとちょうど1年前に書かれた本です。こんなこともあるのですね。環境破壊のなぜを呈するファンタジー児童文学。ルビがふってありますから、小学校高学年生なら読めると思います。この夏休みにいかがですか?